結伝社の仕事

リノベーション

2017.06.30

呉服町のゲストハウス

所在地:福岡市博多区
用途:ゲストハウス
構造:木造改修
敷地面積:136.83㎡
建築面積:93.06㎡
延床面積:167.39㎡
竣工年月:2017.06
設計:三宅唯弘建築設計事務所
施工:結伝社
写真提供:三宅唯弘建築設計事務所

福岡市博多区に残る古い町屋をゲストハウスに改修致しました。

リノベーション

2024.04.09

地域のコワーキングスペース

所在地::鹿児島県志布志市
用途::コワーキングスペース
構造/規模::鉄骨造
延床面積::83.56㎡
竣工年月::2024.01
設計(施主様補助)::結伝社
施工::施主様・施主様の義父
サイン::Liam Price
写真撮影::ゆう。

「ビル2階の空きスペースを地元の高校生たちの勉強スペースや、リモートワーカーのコワーキングスペースにしたい」お客様から計画のお話を伺ったのは去年の2月のこと。建物脇の入口から2階の現場に通され、初めて抱いた印象は、「場所の空気が重たいこと」でした。 無断熱で建てられた鉄骨躯体と内装間に溜まった湿気に加え、雨漏りを繰り返す毎に天井裏や床に発生したカビ、 そして⻑い間人に使われないことで、東⻄南北の窓が閉め切られ、滞留した場の空気こそが、それを作り出していたのだと思います。 

 

「風通し_表層の装飾ではなく場所本来の魅力を引き出すこと」

 

次にまたいつ雨漏りするかわからない天井や、湿気を帯びた床や壁の上に、いくら綺麗な壁紙や塗装を施したところで この空気の澱みは変わらないだろうし、美しさや気持ちよさも一過性のものになることが目に見えていました。 何より、数年後、万が一同じように雨漏りをした場合、壁や天井の裏からカビてくる、を繰り返すことが予想されてしまいます。 このような建物の現状と、「予算が限られているため、DIY工事で行いたい」というお施主様のご意志への回答として、 今回の計画は、材料を買って新たに「付け足す」行為ではなく、天井や壁や床を「部分的に解体」しながら、 本来ここに流れる光や風を取り込み、滞留した場に「風穴を通す」ことに重点を置いた計画をお勧めしました。 現に、工事が始まり、窓を開けての解体作業が進むごとに、場の空気がみるみる変わっていったのが、とても印象に残っています。

 

「自主施工_使い手ご自身の手で場に気を宿すこと」

 

今回は、電気・空調・水道・建具・サインを除く、ほぼ全ての工事を、施主様御本人と、お義父様 (御歳、68歳!)のお二人で完成されました。

今の時代、お金を払えば、住環境も0から10までプロに作ってもらうことは容易ですが、 時間はかかっても、こうやって使い手であるご本人たちで話し、手を動かし、作り上げた場所は何にも変え難い場所になるはずです。 年末年始のご家族と過ごされたいお時間も惜しんで、ご本人たち自ら、お仕事の合間時間を縫って、汗を流され作られた空間です。 それは、腕のある職人や表層のデザインだけでは生み出せない、「場所に魂を宿す」時間なのだと思います。

 

「地域の連関と相互扶助」

 

今回のプロジェクトには、施主様親子のDIYの裏で、快く手を貸してくださった地元の職人さんたちがいらっしゃいました。 皆さん、自分ごととして、手を貸してくださったり、予算を抑えられるようご提案してくださったり、工具を貸してくださったり、と。 対価に対するサービスから少し逸脱した、地域の職人さん方の心の連関、がすごいなあと胸が熱くなりました。 これもひとえに、この街を良くしようと、現場にひた向きに向き合われていた、お二人のお人柄あってのことだと思います。 この最小限費用による、自主施工と、地域の職人さんたちの心の連携で作られた計画は、 今後この地域における空き家活用問題に有効な風穴を通すきっかけを作ったのではないかと思います。

 

今後、この場所がたくさんの人たちの拠り所になることを、心から願っています。